883と1200、どっちがいいのか?(番外編)

ここから先は、本当にごく私的な記事になる。

自分的には、883の方が気に入っている。なぜなら、ダートでも安心して走れるから。

一度だけ、1200でダートにトライした事がある。怖かった。アクセルを開けると、リアが滑る滑る。まっすぐ走れないのだ。トルクがありすぎて、アクセルを開けられない。だから、自分的には1200は×。こんな事で否定される1200も気の毒だとは思うが、所詮、個人のインプレだし(反論お待ちしております)。

883の場合で、わたしの実例だと、フルノーマル状態で、フラットダートならば80Km/hまでは安心してアクセルを開けられる。それ以上のスピードだと、置き場所のない左足が辛くなってきて、車体が不安定になる。
わたしのマシンは、ちょっとだけいじってある。ニーグリップバーと、右ステップの位置調整(JOCKEY製)などだが。これは、効果てきめんだった。車体のホールドが良くなって、安定感が増すのである。ダートで、100Km/hまではごく普通に走れるようになる。さすがに、120Km/hを超えるスピードでは、ちょっと怖い。(そして、いくらフラットダートだからといって、140Km/hを出すのは狂気の沙汰だと思う)

砂浜では、やはり883の独壇場である。1200では足元を掘ってしまうような場面でも、非力な883では逆に強い。車が砂浜でスタックした場合に、2速発進した方が脱出しやすいのと同じで、トルクの細い883はスムーズに走り出せる。リア加重のスポーツは、こんな場面でも安定して加速してゆく。波打ち際の、湿った砂の上を走ると、車体が安定する。波をけたてて走るのは、壮快この上ない。

ただし。

砂浜でのコーナリングには、注意すること。リア加重で、アクセルは開け気味にすること。勢いがそげると、たちまちリアが砂に埋もれ、スタックする。その場合、焦れば焦るほど、リアは砂に埋まってゆく。スポーツスターは重いので、一人ではなかなか掘り出せなくなる。波をかぶった日には、スプロケは錆びるし、ホイールのシールはダメになるし、哀しい事になります(実話)。
みなさん。砂浜を走るときには、気をつけましょう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

883と1200、どっちがいいのか?(その3)

前々回に続いて、883と1200、どちらが良いのか検証してみる。

キャラクターの違いは、長距離を走ったときに顕著になる。

ごく私的に言って、1200で一般道を疲労を意識せずに乗れる距離は、片道60Km、往復120Kmくらいではないだろうか。休日の昼過ぎに家を出発して、一般道を一時間ちょっと走り回って、どこかでお茶して、また走って帰って来るくらいの距離だ。これくらいなら、ライドする楽しさに満足して、なおかつ緊張や疲れを感じずにすむ。もちろん、私より体力のある人は、もっと距離を伸ばす事が出来るだろう。
なぜそんなに疲れるのか。
まず、883よりも振動が大きい。走っているうちに、振動で手がしびれて来る。お尻も痛くなってくる。一番楽しいスピード域では、ミラーなんか見えやしない。精神的にも、緊張を強いられる。
次に、なまじっかハイギアードになっているため、一般道ではかえってぎくしゃくする。一般車の後ろを走るのは苦痛だし、かといって先頭に出ると、勢いでどんどんスピードが出てしまう。なんというか、ギアのつながりが日本の道路事情にマッチしていない感じなのだ。(余談だが、一時期、MAZDAのプロシードというピックアップトラックに乗っていたとき、同様に感じた事がある。大陸的なのだ)
さすがに高速道路では、パワーがメリットになる。100Km/hくらいからでも、アクセルを開ければドカドカいいながら加速していく。140Km/hを超えると、風圧が厳しくなって来るが、それでも開ければもっとスピードは出そうな感じだ。いつでも全開にしていたら、免許の点数がいくらあっても足りなくなるのだが、直線で意味も無くアクセルを開閉してみたくなる。またそれが楽しい。

1200は、言ってみれば短距離走者なのだ。鋭い、スタートダッシュ。あふれるトルク。確かに速い。ただし、長時間は持たない。乗り手の技量と、体力を要求する。

883はどうかというと。これが何とも緊張に欠ける。加速もそれほど良いわけでもないし、振動もそこそこのレベルだし。だからこそ、気負わずにライドする事が出来る。大雑把に言って、片道100Km、往復200Kmくらいまでは快適に楽しめる。これは、午前中に出発し、2,3時間走り回って、お昼を食べて、また走り回って、帰宅直前にガゾリンを補給といったイメージだろうか。刺激が少ない分、ゆったりと乗れて、人に優しい。全開にしてもムチャな事にはならないので、安心してアクセルを開けられる。ギア比も程よく、一般道で車の流れをリードする程度には速く走れる。私の友人は、「酔っぱらっていても乗れるくらい楽チンだ」などとほざいている(ほめられた話ではないので決して真似をしないでください)。体力のある人なら、一日で300〜400Kmは走るかもしれない。もっとも、それ以上のロングライドを狙うなら、カスタムが必要になってくる。

883は、例えるならばジョギングマシンと言ったところか。マイルドでスムーズ。人によっては一日中でも同じペースで走っていけるほどの、楽チンバイクである。


これは、あくまでも私の独断と偏見によるスポーツスター同士での比較なので、ビッグツインは考慮していない。スポーツスターを『ハーレーの入門マシン』と思っているのなら、考え直した方がいい。スポーツの楽しみ方と、ビッグツインのそれとはまったく別物だ。
まあ、最終的にどちらを選ぶかは、個人の自由だと思う。ただ、購入してから迷いが出ないように、しっかり考えた方が良い。
この記事が、883と1200のどちらを選ぶか悩まれている方の、参考になっただろうか。
一人でも多くのスポーツ乗りが増える事を祈っている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

883と1200、どっちがいいのか?(その2)

前回に続いて、883と1200、どちらが良いのか検証してみる。

車体まわりの装備は、1200の方が圧倒的に良いグレードのものを使っている。もちろん、それだけを取り上げて、883が劣っているとは結論づけられない。883の装備は、必要にして充分なものであり、『シンプル イズ ベスト』を信条としている人にはふさわしい。対して1200は、『スポーツとしての誇り』ともいえる、走りにこだわった装備が与えられている。この両者は、メーカーによって、まったく違うキャラクターを与えられているのだ。

そして、オートバイの印象を決定づける、エンジンそして動力性能は、いかがなものか?

ここでも、883と1200のキャラクターの違いが明らかになる。
カタログスペックで見ると、
883のボア/ストロークは、76.0×96.8mm。
1200はストロークは同じで、ボアだけ88.9mm。
(出力は、97年当時は公開されていなかったような…資料お持ちの方教えてください)
他に違いがあるのは、減速比に、シリンダヘッド。排気量の増大に伴って、かなりハイギヤードに設定され、また燃焼効率を上げる為のツインプラグが採用されているのが1200である。

一番気になる、乗った感じはどうなのか。

ここで、1200の欠点が上げられる。トルクが太すぎるのだ。強力なトルクは、コーナリング中のラフなアクセルワークにも敏感に反応し、時にはパワースライドすら引き起こす。マッチョすぎるのである。これは、ハーレーの魅力の1つである、ある種の『おおらかさ』を奪っている。せわしないのである。回転の上昇が早すぎ、シフトアップを強要される。もちろん、加速感が好きな人には、たまらない魅力なのかもしれないが、私の目には欠点に映る。何種類ものバイクを乗り継いできた人には理解していただけると思うのだが、有り余るパワーのバイクは、本人が思っているほど速くはない。コーナーの多い日本のような道路事情では、『どれだけアクセルを安心して開けられるか』がキモである事が多いのだ。

883は、どうであるか。平和そのもの、といったエンジンフィールだ。回転の上昇も遅く、ドコドコいう鼓動も(ハーレーというブランドに期待されるほどは)強くはない。しかし、それがかえって、オートバイの楽しみの、原点を思い起こさせてくれる。トコトコっと加速して、何の気負いも無く、緊張せずに乗れる。オーバースピードでコーナーに飛び込めば怖い目に遭うが、よっぽどの事をしない限り、パワーに振り回される事が無い。安心感があるので、結果的にハイペースで走る事も出来る。
そして、そんなキャラクターの違いは、長距離を走ったときに顕著になる。
(明日に続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

883と1200、どっちがいいのか?(その1)

883に乗っていて、街中などで他のスポーツスターと行き会うと、つい、比べてしまう。むむっ、あっちは1200だな!などと。哀しい事に、相手が1200だった場合は、多少のコンプレックスを感じてしまうのも事実だ。だが、しか〜し。本当に1200の方が良いのか?HDの差別化戦略に踊らされているだけではないのか?世の中の883オーナーの、屈折した心理を代表して考証してみたい。

比較の前提となるモデルは、XLH883と、XL1200Sで、考えてみたい。EVOで、ラバーマウントになる前のモデルで、という事で、97年のモデルで検証してみた(現行のモデルは、操作性が全く別ものになっている。それはまた後に)。

ブレーキ系は、断然1200の方が良い。前輪ダブルディスク。後輪も、ちゃんとドリリングしてあるディスク。対して883は、シングルディスクに、後輪なんか、ただの鉄の円盤がくっついているようなものだし…。コストダウンが見え見えである。しかし、リアメインで使う分には、効きに関して驚くほどの違いは感じられない。

サスペンションも、1200に軍配が上がる。特にフロントサスは、レースでの使用にも耐えられる、フルアジャスタブルタイプのサスである。インナーカートリッジ式で、剛性感もある。実際に乗った感じでは、しっとりと落ち着いたハンドリングになる。それに比べて、883では、ただのテレスコピックサスである。メリットは、軽い操作感と、メンテナンスが楽な事くらいであろうか…。ああ、他にも、インナーチューブの延長などカスタムが手軽に行なえそうなイメージがある。これは実際に加工した事が無いので、あくまでもイメージで(インナーカートリッジ式でチューブ延長なんて寡聞にして聞いた事が無いので)。
リアサスも、1200はアジャスタブルである。オーリンズほどの調整幅は無いものの、必要にして充分といった感じである。やはり、乗った感じは、しっとりしている。なんというか、リアタイヤが地面に粘っこくグリップする感じなのだ。対して883は…。イニシャル調整のみの、シンプルなものだ。普通にゆっくり乗っている分には、不満は感じないかも。シンプルな分、挙動もつかみやすい。ただ、見栄えがしないのは事実。

書いているうちに、ユーウツになってきた。なんて、安く作られているのだ883は。明らかに、差別化されているぞ。言い出したらきりがないくらい、差別化は多々に渡っている。例えばハンドルロック。1200では、標準でロックが付いて来る。メインキーとは別に、ステムのところに溶接で付いているのだ。対して883は、オプションである。しかも、南京錠だったりする。
まだある。メーター。883は、スピードメーターしか付いてこない。まったく。オフロードバイクじゃないんだから、タコメーターくらいサービスしてほしいものだ。まだある。883は、シングルシートである。2人乗りで登録しようと思ったら、最初にオプションのシートとタンデムステップを買わなければいけない。まだある。883は、ホイールがスポークである。いまどき、鉄のリムとチューブタイヤだなんて、ナンセンスとしか言いようが無い……。
(続く)

| | コメント (0) | トラックバック (0)